今月の歌(2月)

今年はまだ寒い日が続いていますが、時々見える晴れ間に、空が柔らかくなっているのを観てホッとしています。梅の木の、まだ蕾の硬い枝の周りに、なんとなく桃色の空気が漂っていて、花の形の落ち着く前の粒子が枝の中と外を行ったり来たりして遊んでいるようで、これが見えるのが、この季節の楽しみでもあります。桜の木もそんな感じが出てきました。lぷやって季節が少しづつ動いているのが、なんとも愛おしいです。

さて、今日は懐かしい歌で「チャイティオの星」。

チャイティオはミャンマーの山奥。細く聳える山々の中にある、仙人が住むようなイメージの崖の中にある小さな仏教都市です。崖の中にある大きな石が、落ちそうで落ちないことで有名で、それがブッダの力によるものだと信じている人々が、石に金箔を貼っていくので、金の石が空中に浮かんでいるように見えます。

少し崖を登ると、星が本当に掴めそうなくらい近くに感じます。空気が澄んでいて、他の灯りもないから、ちょっとクラっとするからでしようか。

朝4時から人々が、日の出の見える崖に集まってお経を唱える、大乗仏教のメッカのようなところ。

最近、そこへ連れて行ってくれたミャンマーのみんなはどうしているだろう、と、よく思い出します。

あの星空は曇っていないのだろうか。今もあんなに美しいままで、あの星空の下で、それでも軍事政権との戦いは収まっていないのだろうか。

心配している自分、途方に暮れている自分に気がつくたびに、彼らの教えてくれたマントラで心を鎮静して、心配より大きなところから、あの美しくワイルドな国を観ていようと思うのです。

そんな、ミャンマーの美しい星の歌。来月にはチャイティオーも春めいてくる頃でしょう。

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「今月の歌」は、コンサートが再開できるようになってきましたので、一旦これで終わりにします。1年半くらいかな?お付き合い、ありがとうございました!!